真珠のポロポロ知恵記

日常の知恵記録をポロポロ書いていきます

レビュー「ジェノサイド 高野和明」

「親というのは、自分の死をもって、最後の、そして最大の教育を子供に施すのだろう。良くも悪くも」

 

このジェノサイド、生物的なSFが物語の中心かと思いきや「親子」特に「父と息子」の話だった。と言っても、人情ものという訳では無く。

 

全体はあくまでも人類が直面する生物的、科学的、政治的、戦争的な危機に主人公達が立ち向かっていく話である。

場面も日本、アメリカ、アフリカ大陸と世界に渡り、主人公も誰がメインかわからないほど各シーンの主要キャラクターが魅力的に書き込まれている。

人物像に大きな矛盾点も無いので、1人だけでは無く複数の登場人物に共感・感情移入して楽しめる。

 

場面もこの3ヶ所に都度切り替わって進んで行くので、各場面の続きが気なかって仕方がない反面、目の前に展開される場面を読まずにはいられない。

 

伏線やミスリードも違和感なく、あまりにも前半でネタばれすることも無いので、上巻を読んだ後には早く下巻を読みたくなる。

隠して隠してネタあかし!というつくりではないので、もしかしたら気付く人は早い段階で隠されている真相に気付くのかもしれない。

私はおそらく作者の意図通りに読み進んで少しづつ驚いて楽しみました♪

 

続きか気になり早く読みたいのに、読み切りたくない(勿体無い)と思うのは、良作に会った時に感じる事だと思う。

久しぶりにそういう作品に出会った。

 

また話を戻すと、どの場面を読んでも親子が出てくる。完璧な風に書かれていないが故に、彼らに共感出来る。

 

戦闘の苦労、精神の苦悩、時間の制約、などなどそれぞれが直面する危機がある。ギリギリの中を、時には失敗をしながらのも語りが進んで行く。

また、遺伝学、薬学や化学といった内容に興味がある人はもちろん、ミステリー(謎解き・種明かし)作品としても日本人著書でなかなかここまでのレベルの本は無い。

  • 天使の囀り
  • アナザーヘブン
  • イエスの遺伝子
  • リングや螺旋

これらが好きな人は間違いなく楽しめる作品だと思います(*・ω・)ノ

 

本を読んで泣く方ではあるが、ラストの父親の言葉にはやられました。

涙を流すことはストレス緩和になるそうだから、そう言う意味でも読後にスッキリする事の出来る作品でしたよ

 

上記以外にも、シグマフォースシリーズとか。あ、あとラングドンシリーズとか好きな人も好きになれる作品だと思う(*´-`)

 

戦闘シーンも多いですが、私はあまりそっち方面に詳しくない&興味が無いので説明できないです。すみません(´・ω・`)

 

以下ネタばれ込み

・朝鮮人うんぬん(人種差別)を書いている所は多くの口コミなどで批判されているように、私も結構違和感を感じた。そんなに主人公や日本人を卑下して(悪い方に)書かなくても…。

・上と同じような感じで、たまに違和感を感じるくらいの態度や口の悪さを登場人物が行う事があった。